規模が大きな模擬試験(模試)が実施される季節になりました。どのように活用すれば力を高めることができ、「合格」に近づけるのでしょうか。ポイントをまとめました。(協力・麻布個人指導会)
自分の弱点をみつける
模試でいちばん大切なのは「受けっぱなし」にしないことです。受けた当日や遅くても数日以内に、模範解答と照らし合わせて自己採点にとりかかります。答案がもどってきたらもう一度、見直します。
「正答率が高いのにまちがえた」という問題があれば、とくに注意が必要です。その問題や関連する単元・分野を自分の弱点ととらえ、補強しなくてはなりません。テキストの基本的な問題を解くなど復習に力を入れ、基礎をかためたうえで克服をめざします。
正答率が極端に低い問題の場合、まちがえてもあまり気にしないように。解説に目を通して「こんな問題が出ることもあるんだ」と、受けとめる程度でかまいません。
テーマを設けて受ける
結果や成績だけに注目していては、模試を十分に活用することはできません。この時期からの勉強に結びつける方法を紹介します。
模試を受けるとき、科目(教科)ごとに「こんな課題にチャレンジしてみよう」とテーマを設けます。「うっかりミスをしない」「○○の単元から出題されたら、必ず得点する」など、どのようなテーマでもかまいません。「テーマを設定する→模試を受ける→見直しや復習に取り組む→次の模試に向けて新しいテーマを設定する」。こうした流れをつくるのがポイントです。
実際の入試までに、みなさんは複数回の模試を受けると思います。そのなかで一つひとつのテーマをクリアし、課題の解消をめざします。
本番を意識する
模試は「本番の予行演習」と位置づけることができます。
たとえば持ち物のチェック。受験票や筆記用具、テキストなどは、実際の入試と同じように前日までにととのえておきます。はじめての会場で模試を受ける場合は自宅からの経路をいくつか確認しておきます。
解答するときのペースも大事です。塾の先生からは「問題全体を見渡してから解く」「どの問題にどの程度の時間をあてるかを決める」などと教わっているかもしれませんね。緊張感があるなかで、こうした解き方ができるかどうかを模試で試してみます。
うまくいけば次の模試でさらに習熟度を高め、うまくいかなければ改善すべき点をさぐります。
保護者は見守る姿勢で
模試の成績表には得点のほかに、偏差値や志望校に合格する可能性などが示されています。この時期の模試については過度に結果を気にしないようにします。身につけた(はずの)知識がまだ整理できておらず、入試と同じような出題形式にも慣れていない受験生が少なくないからです。
受験生はこれからの取り組みで、本番に対応する力を高めていきます。たとえ模試の結果がふるわなかったとしても、保護者のみなさんは気持ちがくじけるようなことばをかけないように気をつけます。あまりよくない結果のとき、いちばん重く受けとめるのは受験生自身にちがいありません。
保護者は信頼しているという気持ちを示し、最後まで見守ってください。
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