本屋さんにはたくさんの本があふれ、お子さんに手渡す1冊に迷ってしまうことがありますよね。子どもの本を専門とする東京子ども図書館(中野区)の綿引淑美さんが、最近出た本の中から、おすすめの3冊を紹介します。今日は、高学年からの1冊です。
『しずくの首飾り』
作 ジョーン・エイキン、訳 猪熊葉子、岩波少年文庫、691円
ぬすまれた首飾りを追って
ジョーンズさんという人が、奥さんと海のそばに住んでいました。ある夜、ヒイラギの木にひっかかった北風を助けてやると、北風はお礼に、ジョーンズさんの生まれたばかりの娘のローラに、雨つぶのついた「しずくの首飾り」をくれました。
北風は、誕生日ごとにやってきて、雨つぶを一つくれました。雨つぶが増えるにつれ、ローラはひどい雨の中でもぬれなかったり、雨を止めたりする不思議な力を持つようになります。
ある日、学校で、ローラの不思議な力をうらやましく思った友だちのメグは、首飾りをぬすんでしまいます。ぬすんだとは知らないメグの父親は高い値段で売ってしまい、アラビアからやってきた商人の手にわたります。鳥から首飾りのありかを教えてもらったローラは、イルカの背に乗り、海をこえてアラビアへ向かい……。
この本には、「しずくの首飾り」など、とても不思議な短いお話が八つ入っています。さし絵は黒一色のシルエットでかかれていて、しゃれています。ぜひ手にとってみてください。
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