Q.入塾テストまでに何を準備すればいいですか? 入塾テストは、何度か受けて、高いクラスに合格してから入塾した方がいいですか?
A.入塾テストは、受ける学年や時期によって内容が変わります。
まず、科目数は、3、4年生は国語と算数の2科ですが、5、6年生になると国語、算数、理科、社会の4科(関西は社会を除く3科)というところがほとんどです。
また、どの塾も4年生(3年生2月)から本格的なカリキュラムがスタートし、時間が経つほど塾でしか習わない分野が出題されるようになります。よって、時期、学年が進むほど入塾テストの内容は難しくなります。
3年生の2月(新4年生の入塾テスト)までは、小学校のテストで苦労なくほぼ100点が取れていれば、入塾資格を得られる点数は取れます。逆に、小学校の勉強の習得に苦労している場合は、まず小学校の内容の基礎固めが必要です。
国語で出題されるのは語彙(漢字の読み書き、熟語など)、読解です。算数で出題されるのは計算の他、小学校の教科書には出てこない、読解力の必要な問題が含まれます。初見では「どこから手を付ければ良いかわからない」というものもあり、一定の訓練が必要になりますが、中学入試とはあまり関係のない内容でもあります。
「入塾テストには合格さえすれば良い」位の気持ちで、計算をはじめ、どのような方法でも良いので解ける問題を頑張って解きましょう。
3年生の3月以降は、塾のカリキュラムに沿った内容が出題され始めます。小学校の算数のテストで常に満点でも、5年生で入塾テストを受けると、算数が0点ということも起こり得ます。この場合は、塾のカリキュラムを入手し、その塾のテキストと同レベルの問題を解いて追いつかねばなりません。夏前の入塾テストが残念だった場合は、夏休み中にこの部分をてこ入れしましょう。
さらに、6年生になって受験を決意し、入塾テストを受けても結果はかなり厳しくなると思っておきましょう。
ただ、入塾テストは、塾に入れる生徒をふるい分けるものと、形だけ実施して全員入塾させるタイプのものがあります。また、四谷大塚の全国統一小学生テストは、基本的に義務教育の内容に沿っており、比較的点数が取りやすい内容です。このテストで点数が取れていれば入塾できるという塾もあります。
「入塾テストを何度も受けて少しでも上のクラスに入りたい」というご家庭もありますが、クラスが上になればなるほど、授業スピードが上がり、内容も難しくなります。
無理なくついていけるクラスに入り、学習習慣と基礎力をしっかりつけ、自信をつけながら段階的にクラスを上がっていく方が息切れせずに済みます。
安浪京子(やすなみ・きょうこ)中学受験算数専門プロ家庭教師「(株)アートオブエデュケーション」代表として、受験算数の指導および中学受験メンタルサポートに力を入れ、毎年多数の合格者を出している。中学受験に関する講演やセミナーを多数開催。毎月第2,4木曜10~12時に、中学受験の悩みをざっくばらんに話し合う「中受カフェ」を開催中。 著書に『きょうこ先生のはじめまして受験算数』シリーズ、『中学受験 6年生の親がすべきこと』(いずれも朝日学生新聞社)など。
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