脳と体のため、10時間寝よう
みなさんは、何時に寝て、何時に起きていますか。寝ているのは何時間? 十分な睡眠時間を取ることが習慣になっていないと、体調が悪くなるのはもちろん、勉強に集中できなくなったり、友だちとけんかしやすくなったりもします。夏休みに自分の睡眠を見直してみませんか。(小勝千尋)
不足すると体調や勉強に影響
「10時間」。これが小学生の理想の睡眠時間だと、子どもの睡眠にくわしい小児科医の成田奈緒子さんは話します。毎朝6時半に起きるとしたら寝るのは午後8時半。みなさんは毎日10時間眠れていますか?
そもそもなぜ睡眠が必要なのでしょう。「脳と体を休め、成長させ、記憶を整理して固定するため」と成田さんは言います。そのために必要な睡眠時間が取れていないと、脳や体は休まらず、成長も不十分になります。記憶の整理や固定も十分には行われません。
すると、朝、具合が悪くなったり、けがをしやすくなったりするといいます。また、脳が十分に成長しないことで、気持ちを上手にコントロールできなくて、すぐ怒ったり泣いたりしてしまうこともあります。
寝ている間の記憶の整理ができないと、せっかく勉強して得た知識も整理されません。「勉強しているのに覚えられない、テストでいい点が取れないという問題が起きてしまいます」
睡眠のバランスを整えるには「まずは毎日決まった時刻に起きることが大切」と成田さんは話します。初めは寝不足だと感じても、朝起きる習慣をつけることで、夜には自然に眠くなるように変化していきます。
よく寝付くには…
寝付きも大切です。晩ご飯は寝る2時間前までには食べ終えましょう。胃の消化活動が活発なときには寝付きにくいからです。寝る前には自然に体温が下がるため、体を温める入浴は、晩ごはんを食べる前にすませておくといいそうです。
寝る1時間前からは、テレビやゲーム、スマートフォンの光が目に入らないようにします。眠気を引き出す物質が出にくくなってしまうためです。寝る前には、明るすぎない部屋で読書などをするのがおすすめだそうです。
いまの自分の生活を見直すために、保護者といっしょに、一日の時間の使い方を確認することをすすめます。睡眠時間を十分に取れているのか、取れていない場合は何が原因なのかを考えます。「十分な睡眠時間を取ることが習慣になれば、勉強もスポーツもできるようになります。心が良い状態になって、自信もわいてきます」
「夏休みこそ生活リズムを立て直すチャンス」と成田さんは話します。夏は早い時刻から明るくなりすずしいため、早起きするのにはもってこいです。午前4~5時に起きてみましょう。「朝風呂や、保護者の方と軽い散歩をしてシャッキリしたら、宿題をしましょう。『朝いち』での勉強が一番はかどります」
寝るのは午後6時から7時。最初は難しくてもだんだん早めていくと良いそうです。「お休みだからといって長く寝過ぎないように注意しましょう」
こわい夢は悪いことではないよ
睡眠について成田先生に聞きました。
Q(質問) どうしても眠れないときはどうすればいいですか?
A(答え) リラックスできるように温かい牛乳を飲んだり、軽くストレッチをしてみたりしましょう。保護者の方といっしょに寝るのもいいです。
Q こわい夢を見ないようにするには?
A こわい夢を見るのは悪いことではありません。夢は、記憶を整理するために見るもの。勉強したことをおさらいしたり、いやだったことを記憶の底にしずめたりしています。目が覚めてしまってどうしてもこわいときには、一度起き上がってしまうと気分が変わりますね。
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