一時帰国中の長男、覚えてきたのは感謝
年末の一時帰国は「心を鬼にして」許可しなかった長男ですが、先日、留学先のフロリダから帰ってきました。目的は、7月の本帰国に向けて、通っていた中学校へのごあいさつと、1年ぶりの家族旅行のためです。
1人で飛行機を乗り継ぎ、羽田空港に降り立った息子。私と長女、そして祖父の迎えに、少し照れくさそうな顔をしていましたが、しっかり一人ひとりとハグをしました。
背は私を超え、声変わりこそまだでしたが、会わなかった数か月で心も身体もぐんと大きくなっていました。今までと違う食環境、新しく構築する人間関係、そして孤独、もちろん英語のスキルだって。さまざまなことと「戦ってきた」1人の人間の顔をしていて、私は心から感動したのでした。
到着当日は「犬猿の仲(笑)」の末っ子とも仲良く、普通の日本食に大感激し、久しぶりの、当たり前の生活にしんみりしていました。もちろん、次の日からは元通りでしたが。ただ一貫して彼から感じられたのは「親や家族、祖父母への感謝の気持ち」です。言葉にも態度にもそれがにじみ出ていました。
優しさ勇敢さを再発見
反抗期で1人アメリカに旅立った彼。出発前は私と怒鳴り合ったりして、なかなか温かな気持ちの共有ができませんでした。しかし、この留学で、彼が持っている優しさや繊細さ、勇敢さに親も改めて気づくことができて本当に良かった。
一時帰国は、13歳でアメリカに行くという彼の決断が、親子にとってとても良かったのだと思うきっかけになりました。
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naoko okusa 1972年生まれ。大学卒業後、婦人画報社(現ハースト婦人画報社)に入社。雑誌『ヴァンテーヌ』で編集のキャリアを積んだ後、南米へ遊学。帰国後、フリーのエディター、スタイリストとして、女性誌で活躍。現在はWEBマガジン『mi-mollet』編集長を務める。ベネズエラ人の夫との間に3人の子を持つ母親でもある。著書は『大草直子のSTYLING&IDEA』など多数。
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