Q.受験勉強中の息抜きや旅行は、どのくらいしてもいいでしょうか?
A.勉強中の息抜きは、「時間で区切る」「量で区切る」の2種類があります。
「時間で区切る」場合、参考になるのは塾や学校の授業時間です。特に小学校では、学年問わず最低40~50分は授業を受け続けることになります。学年に関わらず、まずこれを一つの基準と考えましょう。勉強50分、休憩10分のイメージです。
ただし、塾に通い始めたばかりの4年生にとって、家で50分宿題に取り組むのはつらいもの。子どもの集中力が続くよう「勉強15分→休憩5分」など、設定時間は、他のお子さんと比較するのではなく、我が子をよく見て考えましょう。
「量で区切る」場合、何より大切なのは“どれだけ勉強したら休憩するか”を子ども本人に決めさせる事です。子ども本人が決めたことなので「終わるまで休憩なしよ」という事ができますし、何より自分の勉強について主体的に考える事になります。
真面目な子、頑張り屋さんは、「今週の算数の宿題が全部終わったら」と言うかもしれませんが、それでは永遠に息抜きは訪れません。この場合は、「ページ数」あるいは「問題数」で区切るようアドバイスしてあげましょう。
嫌々勉強している子は、「5問やったら5分休憩」と言うかもしれません。親からすれば「もう休憩!?」となりますが、自ら5問勉強すると言っている事を評価しましょう。ただし、「今日やるべき宿題を全て終わらせられるように考えてね」とは、最初に念を押しておきましょう。
いずれの場合も、ノッて勉強している時は、無理に勉強を切り上げて休憩させる必要はありません。集中力が切れるまでやらせてあげてください。
キャンプや旅行、行事ごとなどは、4、5年生のうちはおおいに楽しませてあげてください。それらを通じて「何を感じたか」「どう思ったか」の経験は非常に大切です。机上の勉強だけでは対応できない入試問題が増えてきているという事情もありますが、人間性を豊かにする時間を持つ事はそれ以上にとても大切です。
ただし、長期旅行で学習習慣やペースを大きく崩すのは避けたいもの。旅先でも毎日10~15分程度の簡単な計算や漢字に取り組ませ続けると、旅行後の学習にもすんなり溶け込めますよ。
安浪京子(やすなみ・きょうこ)中学受験算数専門プロ家庭教師「(株)アートオブエデュケーション」代表として、受験算数の指導および中学受験メンタルサポートに力を入れ、毎年多数の合格者を出している。中学受験に関する講演やセミナーを多数開催。毎月第2,4木曜10~12時に、中学受験の悩みをざっくばらんに話し合う「中受カフェ」を開催中。 著書に『きょうこ先生のはじめまして受験算数』シリーズ、このメルマガ連載をまとめた書籍『中学受験 6年生の親がすべきこと』(いずれも朝日学生新聞社)など。
外部リンク