東大合格のためのノウハウを紹介する漫画『ドラゴン桜2』。この作品の知恵袋となっているのが、現役東大生で構成する「東龍門」のメンバーです。リーダーの西岡壱誠さん(経済・4年)は「新聞は東大合格に欠かせない教材」と話します。
(渡辺真理子、画像は『ドラゴン桜2』コミック5巻から(C)三田紀房/コルク)
新聞は入試問題の情報源
偏差値35から東大をめざし、2浪して合格を勝ち取った西岡さん。自身が編み出した勉強法を著書にまとめ、発信しています。
『ドラゴン桜2』では、漫画の舞台である龍山高校・東大専門コースの英語講師が「新聞は入試問題の重要な情報源。読む習慣をつけよう」と話すシーン(下)が出てきます。この場面は、西岡さんの受験生時代の経験から生まれました。「入試問題をつくる教授たちは新聞を読む世代です。その人たちが毎日、読むものに自分も目を通しておくことは、いい対策になると考えていました」
西岡さんは、過去50年分の東大の入試問題にあたりました。実際、ニュースとリンクした問題は、たくさん出題されているといいます。
2005年の地理では、全国4か所のバス停の時刻表を読み取り、それぞれどの地域のものか4択で選ばせる問題が出ました。「都市と地方の格差」に結び付けられればスムーズです。こうした問題を通して、身の回りのことに意識を向け、学ぼうとする姿勢が問われていると、西岡さんは分析します。
新聞の「見出し」にも注目
また、新聞の「見出し」にも注目します。「書いてある内容を短い言葉で説明できる、というのは『読解力』なんです。自分で
も見出しをつけてみる練習をすると、本当に力がつきます」
最近、高校生以下の生徒に向けて講演する機会が増えています。講演先の学校で、朝日小学生新聞や朝日中高生新聞をよく手にするといいます。「僕自身、話すことを考えるときの参考にさせてもらっています。小さいうちから読んでおけば、東大に受かる力もつくのだろうなと思います」
今、生徒たちと接していて「ハングリー精神」の弱さが気になるといいます。「僕もそうでしたが、先生の一言で、自分を変えようと東大受験を決めました。今後も、自分の経験を語りながら、生徒たちの心に火をつけていきたいと思います」
にしおか・いっせい 1996年3月13日、東京都出身。宝仙学園高等学校卒業後、2浪して東大に進学。本の執筆のほか、漫画『ドラゴン桜2』に出てくる勉強法を実際の高校でも実践する「リアルドラゴン桜プロジェクト」に取り組む。おもな著書に『東大読書』『東大作文』(いずれも東洋経済新報社)などがある。
※「ドラゴン桜2×朝日小学生新聞&朝日中高生新聞『2020年教育改革・キソ学力のひみつ』」は、LINE NEWS「朝日こども新聞」で連載中。
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