音読でリズムや速さをつかむ
今週は高校受験に向けた英語の勉強法を紹介します。早稲田アカデミーの大澤良洋さん(高校受験課主任)に力をつける効果的な勉強法を聞きました。朝中高特派員の取り組みも紹介します。(重政美穂)
文法は単元間の関連に着目
学校や塾の授業で学んだことをそのままにしておかず、習ったところを問題集などで解き、理解できているかどうかをその都度、確認するようにします。
文法の場合、助動詞や現在完了形など単元ごとに学びますが、それぞれを切り離すのではなく、関連づけながら勉強すると、英語の力がより磨かれます。
たとえば、to不定詞と動名詞。「~すること」と日本語に訳すと同じですが、to不定詞が「未来」について表現するとき、動名詞が「現在」や「過去」について表現するときに使われる傾向があるといった違いがあります。形容詞と分詞、関係代名詞は「修飾する」役割がありますが、基本的に1語であれば前から後ろ、2語以上であれば後ろから前に修飾するという違いがあります。このように、それぞれの関連性と違いに注目すると理解がより深まります。
また、少しずつで構わないので、中1のころから長文に触れることをおすすめします。長文の読解力を高めるには読む量も必要になります。読む力がついてきたら、説明文や物語文で読む方法を変えてもいいですね。
説明文は段落ごとにある程度、話題が決まっているので、段落と段落のつながりを把握します。物語文は「朝になって」など時の表現や、新しい人物が登場することで場面がどう変わったのかに注意しながら読み進めます。心情表現も出てくるので、ある出来事に対して登場人物がどう受け止め、どう行動したのかを確認しながら読みましょう。
時間を設定して長文に取り組むと、試験対策にもなります。一通り解き終えたら答え合わせをして、その後に声に出してもう一度読んでみます。音読することで発音を確認でき、読むスピードもはやくなります。
音読は文法や単語、熟語の理解を確かめる方法としても効果的。学んだ英語表現を使い、友人と話す「ペアワーク」もおすすめです。
入試をむかえる受験生のみなさんは自分の弱点を克服する取り組みに軸足を移します。過去問(実際の入試問題)の演習に重きを置き、本番の試験より5分ほど短めに時間を設定して解いてみます。週1回程度のペースで取りかかり、解けなかったり、まちがえたりしたところは必ず復習します。
必要なものと考えて楽しむ
朝中高特派員のNさん(高校2年)
長文読解の問題は本番を意識して、時間をはかって解くようにしました。復習するときは感情をこめて音読。長文の内容が頭に入ってきて、スピードとリズムをつけて読むことができるからです。内容をどれだけ理解しているかを確かめるため、50~100語で要約する練習にも取り組みました。
単語を覚えるときは少しずつではなく、1日に50語ほどを音読しながら、一気に暗記しました。覚えられなかった場合、名詞はその単語があらわす絵を描き、動詞や形容詞、副詞については、それぞれの成り立ちなどを調べたり、「overcome(乗りこえる、打ち勝つ)はoverとcomeからなる」といった具合に分解したりして復習しました。
文法は習った内容を自分なりに整理して1冊のノートにまとめました。教材の書き写しにならないよう、自分の言葉でわかりやすく書くように心がけました。
私はスマートフォンの使用言語を英語に設定するなど、英語を生活の一部に取り入れています。英語も日本語と同じ言語で、急に力がつくものではありません。時間があるときに洋書を読んだり、英語の動画を見たりするのもいいかもしれませんね。
英語を「勉強するもの」ととらえるのではなく、「必要なもの」として考えることができたら、いま以上に楽しみながら学べると思います。
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