俳優・歌手 海宝直人さん
劇団四季の人気ミュージカル「アラジン」や「ライオンキング」などの主演を務め、昨年はイギリスの劇場で海外舞台デビューも果たした。
シンガーとしても活動し、10月にボーカルを務めるロックバンド「CYANOTYPE」のファーストアルバム「MONTAGE」をリリースした。
「メンバー3人のそれぞれの音楽性が合わさって、化学反応が生まれているのがCYANOTYPEの音楽。一つひとつの楽曲にストーリーがあり、登場人物がいる。
アルバムを通じてさまざまな物語を感じてほしい」舞台でも音楽でも共通しているのは、観客の前で「ライブ」をすること。ミュージカルのロングランでは半年以上にわたって同じ役を演じることもある。
心がけるのは「毎回違うことにアプローチすること」。体の動き、声の出し方が少しでも変わると、受け手との新鮮なやりとりが生まれる。その小さな積み重ねが、豊かな表現につながっていく。
才能にあふれた人が集まる世界で、活躍の場を着実に広げているが、「逃げたいと思うことは今でもあります」と本音を明かす。苦労のエピソードは数えきれない。
舞台で高さ10㍍はある場所で綱渡りをして、そこでパスタを食べる役。ベテランの「綱渡り師」から教えを乞い、家に練習台を置いて練習を積んだ。
イギリスの舞台では急きょ、英語でのラップに挑戦することになり、全体での稽古の合間に一人で猛特訓した。「ラップは日本語でもやったことなかったのに」と今でこそ笑って話せる。
難しいことでもやりたいという理想の姿がある。現実は、負けず嫌いで、必死にくらいついている。「形になって喜んでもらえると、やっぱり楽しいですから」
中高生のとき、英語のスピーチコンテストに出ていた。海外の舞台で英語を使うときや、芝居の表現に生きているそうだ。
ネコの写真を撮ることにはまっています。最近も、ネコがたくさんいる島で撮影してきました。うまく撮るコツ? それは「ネコ愛」ですね。
1988年7月4日生まれ、千葉県出身。7歳の時に劇団四季「美女と野獣」チップ役で舞台デビュー。近年の主な出演作に「レ・ミゼラブル」マリウス役など。CYANOTYPEのファーストアルバム「MONTAGE」は発売中。(文・猪野元健、写真・近藤理恵)
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