夏休み、学校で友達に会わない分、パソコンやスマートフォンで、インターネットを利用することも多くなるでしょう。思わぬところにトラブルの原因が潜んでいることもあります。この機会に一度、ネットとの向き合い方を見直してみませんか。(小勝千尋)
架空請求は無視を。写真アップに注意
「SNSで知り合った人に『裸の写真を送って』と言われて送ったら、『また送らないと拡散する』と脅された」「クラスメートがメッセージアプリでグループを作って、自分の悪口を言っている」「興味本位でアダルトサイトを見ようと思ったら、高額請求のメッセージが出てきた」。どれも中高生がインターネットを使っていて、実際に起きたトラブルです。
ネット上でのトラブルで困っている青少年のため、東京都が設けた相談窓口「こたエール」によると、2018年度に寄せられた相談件数は1757件。中高生に関する相談では「架空請求」「交際トラブル」「削除」に関するものが特に多かったといいます。
「架空請求」は、興味本位で、または誤って広告をクリックしてしまうことでアダルトサイトなどに飛び、高額な請求などをされる事例が多いようです。
焦って「解約したい場合はこちらに電話を」などと書かれている番号にかけてしまうと、個人情報を知られてしまいます。
「こたエール」の宮沢八重さんは「一方的に契約は成立しません。突然『契約完了』などの画面が出てきた場合は無視しましょう」とアドバイスします。
「交際トラブル」は、SNSなどを利用してネット上で知り合った人や、友達とのやりとりで起こるトラブルです。
特に深刻なのは、裸の写真を送ったことによるトラブルだといいます。ネット上に拡散されると、簡単に削除することはできません。1枚の写真をきっかけに、脅されることもあります。「その人にだけ、と思っても、世界中の人の目に触れる可能性もあります」
また、「ネット上で出会った人は、ネットだけの関係でいた方がいい」と宮沢さん。どんなに気が合うと思っても、本当の年齢や性別、人格は、文字や写真のやりとりだけでは判断しきれません。
拡散しても大丈夫?誰かが傷つかない?
一度ネットに上げたものは、拡散していく恐れがあります。拡散されたものを削除したいという相談もよく受けるといいますが、完全に削除することは難しいそうです。
SNSは自分の考えや写真、動画など、気軽に共有することができますが、それによって傷つく人がいないか、自分が困らないか一度しっかりと考える必要があります。
夏休み中に注意したいのは、出かけた先での写真撮影。レストランで料理の写真を撮ってSNSに上げたいときには、お店の人の許可が必要です。
家族旅行に出かけたときは、過去の投稿などと合わせて自宅を特定され、空き巣の被害が起きることもあるため、リアルタイムでの投稿は避けた方がいいといいます。
SNSのアカウントで、特定の人以外からは投稿内容を見られないようにしているから大丈夫、と安心している人もいるかもしれません。でも、投稿は思わぬところから拡散していきます。公開の範囲にかかわらず、投稿する内容には注意しましょう。
困ったら相談しよう!
ネットに関して困ったり悩んだりしたときには、相談できる機関があります。「こたエール」はメールや電話、LINEでの相談を受け付けています。
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