松尾芭蕉に「さまざまの事おもひ出す桜かな」の句がある。期待と不安が交錯する春。桜の花を見ても心が浮き立ったり、なぜか悲しい気持ちになったり。今年の桜からは、どんな心情が浮かび上がってくるのだろう。花見シーズンの到来を前に、香川の名所を紹介する。お出掛けの際は見頃の確認をお忘れなく。
さぬき市
●亀鶴公園(長尾名)
園内の池に浮かぶ亀島と宇佐神社を結ぶ約300メートルの並木が人気を集めるスポット。両脇に計約200本のソメイヨシノなどが植えられており、満開時は華やかな桜のアーチができる。桜の開花に合わせて3月下旬からライトアップを行う予定で、時間は日没から午後9時ごろまで。神社恒例の「鎮花祭(はなしずめのまつり)」が4月7日にあり、平安絵巻から飛び出したような着物姿の行列が見物客を魅了する。
【メモ】
琴電長尾駅から車で約5分、高松自動車道志度ICからは約15分
市商工観光課
087(894)1114
●前山ダム公園(前山)
ダム周辺に約500本のソメイヨシノなどがあり、大勢の花見客でにぎわう。ダム周辺には全長3・1キロのウオーキングコースが整備されており、散策に合わせて楽しめる。4月14日には、近くの道の駅ながおなどで「さくらまつり」を開催。ミニ88カ所巡拝ウオークやビンゴゲームのほか、地元で収穫した野菜の即売などを行う。
【メモ】
高松自動車道志度ICから車で約20分
市商工観光課
087(894)1114
高松市
●栗林公園(栗林町)
国の特別名勝。ソメイヨシノやシダレザクラなど約320本が花を咲かせる。29日~4月7日は営業時間を午後9時まで延長し、桜の多い北庭を中心にライトアップ。桜や松が暗闇に浮かび上がり、幻想的な雰囲気を味わえる。期間中、北湖で和船の夜間運航(午後6時から15分間隔で9便。有料)を行うほか、土曜の夜間には商工奨励館前でライブイベントを開催する。
【メモ】
JR栗林公園北口駅から徒歩約3分
栗林公園観光事務所
087(833)7411
●玉藻公園(玉藻町)
東門を入ってすぐの「桜の馬場」にソメイヨシノや陽春、シダレザクラなど計76本が咲き誇る。29日から4月10日まで園内をライトアップし、午後5時半~8時は桜の馬場を無料開放する。約150個のぼんぼりがともり、幽玄な雰囲気が漂う中、思い思いに園内の散策や桜見物を楽しめる。29~31日の夜間には、披雲閣前でライブイベントが開かれる。
【メモ】
JR高松駅から徒歩約3分
玉藻公園管理事務所
087(851)1521
●峰山公園(峰山町)
市中心部に近い石清尾山にあり、家族連れらの人気を集める。芝生広場近くから遊歩道に入ってしばらく歩くと、約400メートルにわたる桜並木が迎えてくれる。石清尾山古墳群にちなんだ大型遊具が並ぶ「はにわっ子広場」から展望台へと向かう道沿いも花見スポット。展望台からは瀬戸内海と市街地の大パノラマが広がる。はにわっ子広場と反対方向に車道を進んだ先にある「桜園」では、緑色の花を咲かせる御衣黄桜(ぎょいこうざくら)もある。
【メモ】
高松自動車道高松中央ICから約20分
峰山公園管理事務所
087(834)7297
●公渕森林公園(東植田町)
公園内にはソメイヨシノを中心に、ヤマザクラなど約5千本が咲き誇る。メインストリートの約500メートルの区間では、道の両側に並ぶ桜がトンネルになり、大勢の花見客を出迎える。25日から4月13日までの午後6時半~9時半はちょうちんが点灯し、ほのかな明かりに浮かび上がる桜を観賞できる。4月7日は恒例の「さくらまつり」を開き、バザーや竹細工教室などを行う。
【メモ】
高松自動車道高松中央ICから車で約20分
公渕森林公園
087(849)0402
●龍桜公園(香川町)
江戸時代の大干ばつの際に、高松藩士で土木技術者の西嶋八兵衛が築造した龍満池を中心とした公園。桜の名所として、さぬき百景に選ばれている。近くの川東八幡宮の御旅所が、池に150メートルほど突き出た場所にあり、参道の両脇にソメイヨシノが立ち並ぶ。陽光に輝く水面を背景に、満開の桜が咲き乱れる様は圧巻だ。同宮から見下ろした景色や県道に面した池西側の桜も見どころ。
【メモ】
高松市中心部から車で約30分
ことでんバスは竜満池下車
駐車場なし
開花状況の問い合わせは市香川総合センター
087(879)3211
●さぬき空港公園(香南町)
高松空港を囲む四つのゾーンからなり、ソメイヨシノなど約1500本が園内をかれんなピンク色に染める。中でも空港駐車場に続く道沿いの約200メートルは見応えがあり、「ポートヒルゾーン」のイベント広場や「カントリーゾーン」からの眺めもおすすめ。23日から4月7日まで、両ゾーンの開園時間を午後6時まで延長する。園内にはグラススキー場やアスレチック遊具などもある。
【メモ】
高松空港から徒歩約10分
車の場合は高松市中心部から約30分
さぬき空港公園
087(879)8510
土庄町
●蛙子池(かえるごいけ)さくらの森
桜の名所にしようと、小豆島とのしょう観光協会と土庄町が2006年に整備を始めたスポット。銚子渓自然動物園「お猿の国」の駐車場から、約1キロ南東にある蛙子池まで続く道沿いと池の周辺にソメイヨシノや陽光、大島桜など約千本が植樹されている。見頃は4月上旬から中旬までの見込み。7日午前10時から、先着200人に煎茶と桜餅を振る舞う。
【メモ】
土庄港から車で約20分
小豆島とのしょう観光協会
0879(62)2009
小豆島町
●城山桜公園
木下恵介監督の映画「二十四の瞳」(1954年)で、満開の桜の下で「電車ごっこ」遊びをする場面が撮影された。近年は民放ドラマのロケ地としても知られる。桜はソメイヨシノを中心に約600本。眼下に広がる池田湾の眺望とセットで楽しめる。地元有志でつくる城山保存会が遊歩道の整備や植樹、ぼんぼりの取り付けなどに取り組んでいる。
【メモ】
池田港から車で約5分、土庄港からは約15分
国民宿舎小豆島
0879(75)1115
坂出市
●鎌田池(小山町)
坂出中学校の北側に位置し、地元で親しまれている桜の名所。国道11号の金山トンネルを西に抜けると、池沿いの桜並木が目に飛び込んでくる。池の北側に整備された約650メートルの遊歩道沿いに咲くソメイヨシノは約100本。散策をしながら水面に映る美しい姿も楽しめる。同校南の貯水池沿いにも桜並木があり、池東側の公園は遊具や広場が整備されている。
【メモ】
JR坂出駅から車で約5分、徒歩約20分
駐車場は公園利用者向けが10台
市にぎわい室
0877(44)5015
丸亀市
●亀山公園(一番丁)
丸亀城を頂く園内に、ソメイヨシノを中心にヤマザクラや八重紅大島など約650本が咲き誇り、大勢の市民らでにぎわう。おすすめは大手門近くのうるし林や二の丸など。23日~4月14日の「丸亀城桜まつり」では、うるし林の近くに出店が並び、夜桜用として午後6~9時に500個のぼんぼりを点灯。ライトアップも行う。開花状況によっては、まつりやぼんぼり点灯の終了日が早まることがある。
【メモ】
JR丸亀駅から徒歩約15分
車は高松自動車道坂出、善通寺両ICから約15分
市観光協会
0877(22)0331
多度津町
●桃陵公園
瀬戸内海を見下ろす高台にソメイヨシノが約1500本。28日~4月4日(予定)は日没から午後9時までライトアップする。31日に「たどつさくらまつり」が開かれ、桜餅の試食会やステージショー、物産模擬店、お茶会、多度津高生のミニ水族館などがある。本通商店街と西浜地区では、元豪商の邸宅・合田邸の公開などの協賛イベントも。同時開催の「たどつ全国凧あげ大会」は堀江サッカー場で行われる。
【メモ】
JR多度津駅から徒歩約20分
車は高松自動車道善通寺ICから約20分
町政策観光課
0877(33)1116
琴平町
●金刀比羅宮
ソメイヨシノやボタンザクラ、ヤマザクラなどを中心に約3500本が境内を彩る。中でも大門から約150メートルにわたって石畳が続く「桜馬場」は桜の名所として有名。両側に並ぶ桜が薄桃色のアーチとなり、風に舞う花びらが参拝者に春を届ける。恒例の鎮花祭「桜花(さくら)祭(さい)」は4月10日に開催される。金刀比羅宮の鎮座する象頭山全体で7千本以上が一斉に花を咲かせる様子も壮観だ。
【メモ】
表参道入り口までJR、琴電両琴平駅から徒歩約15分
高松自動車道善通寺ICから車で約15分
社務所
0877(75)2121
三豊市
●紫雲出山(詫間町)
標高352メートルの山頂から一面の桜と瀬戸内海の多島美を楽しめるスポット。山頂園地では、ソメイヨシノや八重桜など約千本が咲き誇る。米紙ニューヨークタイムズ電子版に桜と瀬戸内海を望む写真が掲載されるなど、近年は国内外から注目が高まっており、花見客に加え、多くの写真愛好家も訪れる。30日は地元のボランティア団体によるお茶の接待がある。
【メモ】
JR詫間駅から荘内半島に向けて、車で約40分
今年からマイカー規制を行い、大浜漁港からシャトルバスを運行する(有料)
市観光交流局
0875(56)5880
●朝日山森林公園(高瀬町)
ソメイヨシノなど約2千本が咲き誇る。山頂まで続く桜のトンネルは圧巻で、山頂からの眺めも絶景。開花状況に合わせて日没から午後10時まで、約100個のぼんぼりがともされ、夜桜を楽しめる。恒例の「桜まつり」を4月7日の午前10時~午後3時に開催。屋台が並ぶテント村や特産・高瀬茶の販売、餅つき、芝生スキーの体験などが行われる予定。
【メモ】
高松自動車道三豊鳥坂、さぬき豊中両ICから車で約20分
市観光交流局
0875(56)5880
観音寺市
● 琴弾公園(有明町)
「さくら名所100選」に選ばれている。園内にはソメイヨシノや大島桜などが約400本あり、シーズンになるとピンク色の花が緑の松林と美を競う。22日から4月中旬までの午後6~10時には、ぼんぼりがともされ、夜桜の見物も楽しめる。金運上昇のスポットとして人気を集める巨大な銭形砂絵「寛永通宝」が園内にある。
【メモ】
高松自動車道さぬき豊中ICから車で約15分
JR観音寺駅から徒歩約20分
市観光協会
0875(24)2150