「ゲーム依存って怖い」「家庭でもルールが必要」。観音寺市豊浜町の豊浜小学校(河内直人校長)では10日、ゲーム障害や依存防止策などをまとめた四国新聞の「こどもニュース 特別号」が配布された。全校児童343人がインターネット・スマホ依存と生活習慣の乱れ、学力低下との関係などの問題について学んだ。
全校集会では冒頭、ネット・ゲーム依存の社会問題化を踏まえて生徒指導主事が特別号を紹介。プロジェクターを使って「皆さんはゲーム依存症を知っていますか」と呼び掛け、「役立ったり楽しかったりすることもあるが、熱中しすぎると寝不足で授業に集中できなくなる。いらいらして、病気になれば生活は楽しくなくなるよ」と心身への悪影響について解説した。
各学級では、担任が世界保健機関(WHO)が国際疾病に正式認定した「ゲーム障害」について触れた。児童からは「えっ、病気なの」「どうやって治療するの」などと質問が相次いだ。子どもたちは紙面を朗読し、実際にインターネット依存度を確かめるチェックリストを活用して▽ネット使用を制限したとき、落ち着かなかったり、いらいらを感じたりする▽熱中したため大切な人間関係を台無しにした―などの項目を確認しながら「あっ、やばいかも」「約束事を決めることはとても大事」と自身の生活を振り返った。
その後、インターネットとの付き合い方や依存予防のポイント、家庭でのルールづくりなどについても話し合った。5年の高倉光莉さんは、ゲーム依存について「新聞やテレビで知っていたが、特別号を持って帰り、今日のことをお母さんにも伝えてあげたい」といい、5年の篠田門亜君は「ゲーム依存がこんなに怖いとは思わなかった。これからはゲームを休む日をつくる」などと話していた。
「こどもニュース 特別号」を活用した取り組みは他の学校でも順次行われる予定。
依存防止の“教材”に 児童・生徒10万5000人に配布
ゲーム依存症について世界保健機関(WHO)が5月末に国際疾病に正式認定したことを受け、四国新聞社は、ゲームやスマートフォンの過剰利用が心身に与える悪影響や予防のポイントをまとめた「こどもニュース特別号」を発行、県内すべての小中学校、高校などの児童・生徒約10万5千人に配った。学校や家庭で、依存を防ぐための“教材”として活用してもらう。
特別号はタブロイド判フルカラー20ページ。ゲーム依存の症状をイラストを交えて解説しているほか、元依存症患者のインタビューも掲載。依存度を確かめられるチェック表、ルールづくり用シートも盛り込んだ。
スマホ依存にもスポットを当て、脳科学者で東北大加齢医学研究所の川島隆太教授による「スマホを1時間以上使うと成績が低下する」という研究結果を紹介。読み・書き・計算が脳の働きを活発化させることも取り上げている。
NIE(教育に新聞を)の観点から、新聞を読む児童・生徒に成績アップの傾向があることや、家庭学習での新聞の活用法も載せている。
特別号は県・各地区医師会の協力を得て、医療機関にも順次配布する予定。
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