下肢に障害のある高松市内の女性が、自身の経験などを基にした絵本を自作した。障害への理解をテーマに、親子で学べる内容に仕上げた。これまでに2冊を手作りし、同市内の小学校の授業などで活用された。貸し出しにも応じており、「障害がある人も、そうでない人も、お互いが優しい気持ちで暮らせるきっかけになれば」と話している。
女性はペンネーム・まつばさん(36)=本名非公表=。背骨の中を通る神経の束である脊髄が正常に形成されず、脚を上手に動かせない「二分(にぶん)脊椎」と呼ばれる障害がある。絵を描くのが好きだったことから、数年前、二分脊椎を題材にした紙芝居を手作りし、自身の子どもが通う保育所などで披露。より障害への理解を深めてもらおうと、今年4月、友人に協力してもらって初めて絵本を作った。
1作目の「けがかな? びょうきかな?」は二分脊椎症の女の子が主人公。「装具」と呼ばれる特別な靴が必要なことなどを分かりやすく伝えるとともに、障害に対する無理解や、クラスメートとの触れ合いなどを描写した。周囲の大人に対しては「『障害のある人もいるんだよ』と子どもたちに教えてあげて」と訴えている。
2作目の「だってこんなに笑っているよ」は今年9月に制作。障害のある子どもの親に向け、「泣いたり、自分を責めたりしないで」「手助けがあまり必要ないなら、できることに挑戦させてあげて」などのメッセージを込めた。
それぞれ色鉛筆などを使って優しいタッチで描き、親しみやすい内容に仕上げた。1冊目の絵本は、まつばさんの長女が通う小学校で活用され、子どもたちが障害について学んだ。まつばさんは「絵本をいろいろな形で活用してもらえれば」と話している。
貸し出しなどの問い合わせは、写真共有アプリ「インスタグラム」で受け付ける。URLは、〈https://www.instagram.com/Matsubastick〉。
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